1020、京都早春賦 2025 (1): STC研究会できらら山荘再訪 |
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燃え盛る火の粉はらひつ
山姥の舞に酔ひたる
能舞台かな
The sparks were burning
Shaking off them
We had watched Yamamba Takigi-Noh
Performed on this Noh Stage



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2025年 03月 25日
この会はいつもは金沢の温泉地で開かれるのだが、今回は京都東山の関西セミナーハウス(修学院きらら山荘)が会場となった。きらら山荘に泊るのは4度目、これまで生化学会出席などでここに宿を取ったり、家人と一緒にこの山荘でもたれた観世流の薪能「山姥」の観劇や音楽会、すぐ隣の曼殊院の紅葉見物に出かけて来たこともある思い出深い山荘である。 3633 曼殊院と離宮に挟まる山裾の 早春さやけき きらら山荘 Kirara Sansoh A mountainside lodge between Manshu−in Temple and the Imperial Villa How glorious sight it is Now being in early spring in Kyoto 3634 燃え盛る火の粉はらひつ 山姥の舞に酔ひたる 能舞台かな The sparks were burning Shaking off them We had watched Yamamba Takigi-Noh Performed on this Noh Stage ![]() 白梅の咲くきらら山荘の能舞台の前でSTC会議参加者の集合写真 ![]() 懇親会でのスナップ写真、乾杯の音頭なども ![]() 朝、朝食前に山荘内を散策。まだ新緑には少し早いが、いつ来ても静寂でさわやかな庭のたたずまいである。こんな所に暮らせたらいいのになと思いながら 今回の京都旅行では、この近くに住んでいる岡崎俊朗先生夫妻の案内で、かねて念願であった2つの離宮、桂離宮と修学院離宮の予約が取れたこともあり、時間を取ってこれらを見学する目的もあった。それに、少し足を伸ばして鳥獣戯画で有名な明恵上人の栂尾高山寺、梅の北野天満宮なども、、もしかしたら後期高齢の自分たちには、最後の京都旅行ということになるかも知れず、今回の訪問の思い出を「京都早春賦 2025」として以下数回に分けて書き残してみることにした。 #
by yasuiga4519h
| 2025-03-25 07:19
| 国内紀行
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2025年 03月 14日
ここ数日暖かい日差しが続いて、庭や屋根の雪もやっと解け始めて、あっという間に半分くらいになったと喜んでいたら、この日は朝からまた濡れた雪が降り始めた。三寒四温とはこのことか。それでも裏山の木々に、柔らかな真っ白な花が一斉に咲いた様でもあり、期せずして一足先に雪花見ということに。 ![]() 裏山に雪の華(3月14日) 3630 音もなくただ舞ひ落ちる 春の雪 萌え待つ木の芽に華の先づけ Spring snow falls silently Bowing flowers in advance onto the buds Who are waiting to sprout 3631 雪ゆるみ越冬すずめの囀りは また途絶えたか オンコ潜りて The snow melts The singing of the wintering sparrows Have stopped again By creeping into the Onko bushes ![]() 雀たちの雪避難所、三つのオンコのとんがり帽子 3632 弥生半ば 降る雪溶かしの雪ならむ 降りつつ溶け落つべたべた雪よ The snow in middle March Should be the melting snow As soon as falling then dropping off That's the wet and sticky snow #
by yasuiga4519h
| 2025-03-14 15:23
| 札幌の風物
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2025年 03月 10日
24節気の「啓蟄」に入り、札幌のさしもの降雪もやっと少し収まってきたようだ。しばらく三寒四温の気候が続きそう。 田中英道の前著「ユダヤの古代史:ユダヤ人の帰化」に興味を抱かされ、そこで述べられていた蘇我馬子による聖徳太子の暗殺という主張の根拠が書かれているのかと通読してみたが,はっきり言って蘇我氏と聖徳太子の関係の考察が、極めて表層的な印象 (愛妃が1日前に死んでいる、山背大兄王など子孫が20年後に入鹿によって滅ぼされた、など) に基づく説で幾分残念というか、失望した。そうか、これでは蘇我氏のネストリウス派帰化説も馬子による太子殺害説も、直感的な閃きで生まれた考えで、あまり信憑性はないのかもしれない。 ![]() それに比べたら,もう半世紀前に書かれ若いときに読んだことのある梅原猛の法隆寺の謎の解明に挑んだベストセラー「隠された十字架」のほうがはるかに文献考察が丁寧で信頼できそうだと、また読み直してみた。若かった思想家梅原の情熱が伝わってきて、ついつい一気に読み通してしまった。梅原氏ももう亡くなって6年になる。 法隆寺が藤原氏による聖徳太子の怨霊を鎮めるために再建されたのだと、たくさんの考証を踏まえての梅原の論はとても説得力がある。蘇我入鹿と皇族、中臣鎌足などの天皇の地位をめぐる政略で、聖徳太子の王子である山背大兄王一族を斑鳩宮(その跡地に法隆寺が建てられた)に滅ぼしたあと,そのたたりを恐れた鎌足の子である藤原不比等やその姻戚の皇族や妃が、聖徳太子の怨霊による一族の災難を防ぎ、閉じ込めるために法隆寺の再建や、祟りとされた後の不比等4兄弟の病死後の東院夢殿建設であった、という根拠が次々と示されていく。 勿論この推論に対する専門家(仏像美術家など)の批判も強いのだが、、それに対しても梅原は、一部の専門家は木だけを見て森を見ようとしない、つまりディテールにくわしいが、全体像やその意味を考えようとしない、と手厳しい。科学における多田富雄の意味論にもみられるように、自分は梅原を是としたい。 圧巻は、夢殿で1200年以上秘仏とされていた救世観音のフェノロサによる開張、現れたその形相。聖徳太子を祀る法隆寺で毎年3日間執り行われる聖霊会という儀式の体験、まるで怨霊が踊り狂う能舞台のでの舞のような生々しさが、最後に描かれる。 3629 救世観音、夢違観音の 二様の表情(かお)に解く鍵ありや 夢殿の秘密 The secrets of the Yumedono Hall May lie in the two antimony expressions Of the Savior Kannon and the Yumetagae Kannon That seems a key point to be solved for me ![]() ![]() 飛鳥から奈良時代にかけての古代史には、それ以前の空白の4世紀、5世紀とは、違った形のたくさんの謎が残されたままなのだと改めて思わされた。そういえば千葉高時代に薫陶を受けた日本史の南波怒一先生は、戦前東大の学生時代、留年しながら聖徳太子研究会の主要メンバーだったと漏らしていた。その南波先生も、高校歴史の指導要項を越えていたのか、法隆寺のこうした謎のことを授業ではおくびにもしゃべられたことはなかった。言いたくても言えなかったのかもしれない。その謎の法隆寺、自分はまだ一度も観たことすらないのだ。一度は、、、 3630 神道と仏をつなぐ 我が国の精神の起点 謎多き太子よ The really mysterious Shotoku-Taishi Who connected Shinto and Buddhism Which is the spiritual origin of our country ![]() #
by yasuiga4519h
| 2025-03-10 07:06
| 21世紀のパンセ,読書
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2025年 03月 05日
そして研究が細分化され、自分の専門の狭い分野でのディティルを追求せざるを得ない研究者の中で、生命科学を広く俯瞰して、何故そうなのか,その意味は何かという「意味論的」な考察のできる数少ない研究者だったといえる。もう少し長く生きていたら、最近の科学の到達にどんな意見が聞けたろうかと悔やまれる。 ![]() 多田富雄の2冊の意味論、免疫の意味論(1993年、青土社)と生命の意味論(2024年、講談社学術文庫,再出版) その元ともなっている「免疫の意味論」とともにこの本は、生命科学、免疫学の将来を見据えた科学論とも言える。多田が生物学や免疫学の研究を通してつかみ取った「生命は自己生成のスーパーシステムである」という主張は当時から斬新な主張で世間に衝撃を与えてきた。それが新しい時代になってますますその主張の重さが見直され、再出版となったのだろう。 彼の言う「生命は超(スーパー)システムである」という主張とは? 多田氏は,この本でたくさんの生命現象を取り上げている。勿論中心は免疫系の成立であるが、それ以外にも一つの受精卵から個体を作り上げる発生、細胞の老化、性の決定過程等をとりあげ、これらがDNA決定論的な機械的なものではなく「遺伝情報に基づきながらも、遺伝情報はゲノムにばらばらに書き込まれており、その読み取り方、実行の仕方にはかなりの自由度と偶然とが入り込む。従って生命システムの生成は偶然と確率を伴っている。そこにDNAからはなれた超システムとしての生命の形が現れてくる」という。遺伝子組み換えを頻発させながら自己と他者を週別する免疫複雑系の確立や、受精卵からの[あらゆる可能性を秘めた何者でもないものから、完成して全てを備えた存在に生成してゆく自己生成過程である」個体発生など具体的にとりあげ、それを詳しく知れば、まさにその通りだと納得させられる。 この超システムの一番の特徴は,自己の内部で生じる自己組織化であるとして,以下のようにも述べている。「生命という超システムは遺伝的プログラムを引き出し、多様な要素を創りだしてそれを外部の環境等の情報を取り入れることによって自己の体制を確立し,それは状況流動的に運営される」。これは一部に今もって強く残るDNA絶対の機械論とは全く相容れない主張である。 更に一歩広げて、多田は、免疫や個体発生等の生命現象から、言語の成立や文化現象である集団生活、都市の発生、更には大学や会社等の組織の発生にも同じような原理が貫かれているとして文化にも踏み込んだ鋭い視点を提出している。上からの設計で造られた都市開発(近年のどこも同じような商業施設、政治都市など)が何故うまくいかないのか、個性や特徴を無視した画一化した大学管理政策の問題点等を考えるときもうなづける。 ではそうした超システムの自己組織化の[目的」はなにか? これが問題となる。 これに対して多田は「それはないのではないかと私は考えている」と少し消極的に述べている。[超システムは直接の目的を持たないシステムとして発達してきた。システム自体が自己目的化しているシステム。超システムは、超システム自身の内部的な目的で要素を追加し、複雑化させながら進化してきた」という。システム自体の「内部的目的」が何なのかは明確には示されていないが、目的や方向性をもたないまま、環境要因等によって淘汰され残ってきたというダーウイン的な進化論にやはり行き着いている。 多田が取り上げた言語の発生や都市、大学の発生、自己組織化には明らかな外部からの必要、要請があり、その圧力のもとで進化してきた思われる。一方、生命や免疫系はそれがなく内部的な目的で外界からの淘汰をうけながら進化してきたことになるのか? 偶然の変異と淘汰による進化と言うダーウイン流の進化論の限界が、やはりここに現れている気がするがどうだろうか、、、システム内部的な目的が何かは別にしても、目的がなかったら生命の進化はあり得なかったと思うのだが、その目的とはいったいなんなのか、、危険を排して生きたいという意思とか、種としては子孫繁栄とか? あるいは、あのゼロポイントフィールドの真空エネルギーとの共鳴?? 勿論簡単な問題ではないのだが、、、 多田は精神、心と物質の二元論にも否定的(最近の神経科学の発展による精神の肉体化とそれを表現しているが、それほど単純ではなさそう)であるが、もしいま生きていたら、その結論は同じだったろうかと,議論してみたかった。いづれにしても多田のこの「生命の意味論」に書かれた論点は、当時も今も非常に示唆的である。が、多田の死後の生命研究や免疫研究は、彼の言葉に示された方向(偶然性と自由度を持つ自己形成超システムとしての生命)で進んだかどうかは一言では言えないのだ。 以前にこのブログで、自由の生物学的定義をこころみた短歌を載せたことがあった。当たらずと言えど遠からずのこの一首を多田富雄先生のこの著書にささげたい。 3628 (2593•1461) 自由とは DNAを使ひつつ DNAを超へてゆくこと What the freedom of living things?
It's like that Using a DNA Genom Going beyond a DNA Genom ![]() 春を呼ぶ黄色のアストロメリア、和名は百合水仙。花言葉は「持続」、「未来への憧れ」である #
by yasuiga4519h
| 2025-03-05 08:24
| 21世紀のパンセ,読書
2025年 03月 01日
糖脂質研究の先達であり、長い間我が国のこの分野の研究をリード、学士院会員でもあられた鈴木邦彦先生が2月12日に亡くなられた。享年93歳であった。
![]() 故鈴木邦彦先生 鈴木邦彦先生は、スフィンゴ糖脂質の先天的代謝異常疾患(スフィンゴリピドーシス)の一つであるクラッベ病の原因がGalCerの分解酵素の欠損で神経細胞に蓄積される過剰のGalCerであることを突き止めた仕事がある。スフィンゴリピドーシスの研究は,ある時期スフィンゴ糖脂質の研究分野の花形で、遺伝疾患の酵素異常が直接病気の原因となるという典型的な例となっていて,こうした遺伝疾患の治療に道を開いてきた。 ![]() 箱守先生のもとで糖脂質、スフィンゴ脂質の研究をしていた自分は、鈴木先生と国際学会でごいっしょする機会も多く、海外での研究生活の長かった先生とお話ができるのがとても楽しかったし、先生はいつもどんな場面でも明るく朗らかに振る舞われていた。 ゴードン会議かニューヨーク、イグアス、台北,あるいはワルシャワ? どの学会だったかはどうしても思い出せないのだが、どこかそこでの講演が今でも焼き付いている。こうした脂質研究にも特定の遺伝子をつぶすノックアウトマウスの手法を導入して調べるようになり、名古屋の古川鋼一先生が、ガングリオシドなど糖脂質の全くできないマウスを作成して、糖脂質がなくてもマウスは普通に生きられるという、神経機能に不可欠と考えられていた糖脂質がなくても支障はないというショッキングな論文が出されたあとだったので、鈴木先生は「もしそれが事実なら、私のしてきた研究の大半はあまり意味がなかったということになるのかな」と講演の最後で正直な気持ちとして述懐されたのだ。勿論、そこでは代用の異常糖脂質が造られていたり、それほど話は単純ではないということになったのだが、、先生の率直さに驚かされた一瞬であった。 ![]() 台北での糖脂質学会のエクスカーションで故宮博物館を見物した時の鈴木先生のスナップ写真、彫像は、中国の宝物をもちだして保存した蒋介石。先生は中国の歴史、文化にもたいへん興味を抱いていた 今回の鈴木先生の訃報もそうだが、自分にとっての糖脂質、脂質研究の大先達である先生方、永井克孝先生、箱守仙一郎先生、山川民夫先生,野島庄七先生、野沢義則先生、、このところつぎつぎに亡くなられていく。それは仕方ないことだと諦めねば、、ご冥福を祈ります。 3627 百歳の壁は厳然 その前に次々と逝く 大先達たち The 100-year-old wall is a formidable fate Before that critical age Great predecessors passed away one after another #
by yasuiga4519h
| 2025-03-01 08:16
| 交友録と自伝的短歌
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