67、いわしゃじん(庭の秋の花たち 5) |
茶庭の入り口にひっそり咲いているのは「いわしゃじん」である。岩場を好んで咲く山野草で、華やかな秋明菊とは違い、同じ秋の花でもか細い枝に釣り鐘草のような白い花をつけ、風知草をバックになにかその風情に寂寥感を漂わせている。
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線香のやふな細枝(ほそえ)にぶらさがる
白い釣り鐘
いわしゃじんの花
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庭隅に
風知背に咲くいわしゃじん
深まる秋の寂寞の徴よ
穏やかな秋の一日を詠う5首(10/8/11)
463 穏やかに光を浴びし庭の木々色つく葉先に赤トンボ舞ふ
464 明治の世の開拓の名残や秋祭り福井太鼓のドンドコピーヒャラ
465 秋来たり赤紫の菊の花や花壇を覆ふ貴船に混ざりて
466 ゆるり過ぐこんな一日あってよしせくな急いでなんぼの人生
467 摘み取りしインゲン茗荷ししとうを揚げるてんぷら油音響かせ