519、トロントとナイアガラの滝(アメリカ各地短歌紀行 23) |
子供の頃よく聴いた「カナダ旅行」という楽しい歌があった。「みんなの歌」というNHKの番組だったと思う。その歌詞の初めに「トロントまではタクシー、モントリオールには馬で、、」といった調子で、子供心にもその音の響もあって、トロントってどんな街なのだろうかと関心を持たされていた。そのトロントに行く機会をアメリカ滞在中持つことができた。デトロイトから5時間の運転でナイヤガラそしてそこからクイーンハイウェイを北にいけばCNタワーという当時世界一の高さを誇っていたタワーの聳え立つトロントの街が見えてくる。人口250万超、カナダ第一の大都会で、1982年を皮切りにナイアガラ観光と合わせてアメリカ滞在中に3度ほど訪れた。
街の中心には、ガラスばりの高層ビルの建ち並んだ、まるでガラスで創られた街で、夜になるとキラキラと光り輝きだす。一方、古くからのダウンタウンの繁華街であるレストランやカフェの並ぶヤングストリートなどは夜遅くまで若者たちで大賑わいで、車を走らせながら歌を歌ったり、警笛を鳴らしたりと、アメリカの街とは全く違った印象である。この街で、野球観戦もしながらブルージェイの球場の壁にあるホテルにも泊まったりもした。以下トロントの旅を想いだして詠った5首である。
トロントは
オンタリオ湖に突き出せる
ガラスの街、光の街よ
Toronto!
Stuck out in Lake Ontario
A town of glass made and a town of shining light
2341
深夜にもカフェテラスは賑はいて
奇声、蛮声の
ヤングストリート
Until midnight, cafeteria are crowded
With young people shouting and screeming
Along Yong Street
2342
インスリン
見つけし医師の名にしおふ
V、B、Iは街の片隅
The Building named after the two Doctors
Who found Insulin,
That's VBI (Vanting・Best Institute)
Such a small structure in the corner of the town
2343
新しき街に今なお残されし
カサノバの城
スペインの名残り
A Castle of Casa Nova
Remained in the corner of the new town
A memorial of Spanish occupation
2344
(当時世界一高かったCNタワーにのぼって)
都心なる塔に登れば
遥か遠く瀑布のしぶき
煙のごと見ゆ
(Climbing up to the CN tower, which was the highest structure in the world at that time)
Climbing the tower downtown,
From the observation room there
A water smoke was seen in far away
Seemingly that's the Niagara waterfalls across the border
憧れのナイアガラの滝も、トロント旅行と組み合わせて何度か訪れた。その落水のスケールには本当に度肝をぬかれた。後に、アルゼンチンにあるもっともっとすごいイグアスの滝を見るまでは、「スゴい、これが世界一の滝かぁ」とずっと思い続けていた。
赤、青、黄
ライトアップのナイアガラ
モンロー映画まぶたに浮かぶ
Red, blue and yellow
The Great Niagara is lighted up colorfully
Reminding me a Monroe movie "Niagara, No return"