631、「フジコ・ヘミングの時間」を観る |
雨の日曜日、せっかく始まった新しい庭畑造りができないで、狸小路のシアターキノ札幌で上映されている「フジコ・ヘミングの時間」を観に出かけた。
フジコ・ヘミングが日本で騒がれはじめた頃、久しぶりに会った娘から「おとうさん、フジコ・ヘミング一度聴いてみて。普通の演奏とちがうよ。なんか魂がこもっていて、、、」と言われて買ったのがこのCD。1−2度聴いてそうなのかな、と思いながらもそのまま本棚にしまい込んでいた。
The Campanella's CD of Fujiko Hemming, purchased 10 years ago suggested by my daughter
そんな彼女の経歴や人となりを多少とも知ってから、映画の最後で聴かされたリストのラ・カンパネラの力強い演奏は、その鍵盤をたたくメロディが胸にどしっと響きわたり、強く迫ってくるものがあった。娘もかってこれを聴いたのかもしれない。
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鍵盤をたたく手と指たくましく
つむぐメロディ
The hand and fingertip
Which taps the keyboard looks really sturdy
Sounding of the melody
Is like the surging waves
「演奏は、技術だけではない、ひとの生き方そのもの、だから私は自分のこの演奏に誰にも負けない自信を持っている」と映画で言い切っていた。聞く所によると日本では彼女の60代後半での大ブレイクのあと、いわゆる「序列と格式」を重んじる日本の音楽家集団からは技術的にもいろいろと揶揄されたらしい。多分やっかみもあったろう。しかしそれとは別に人々の心を捉えてきたのは、そのひとの真剣勝負の本気度にあるのだろう。つべこべ言っても言われてもやったものがち、ではないかな。
A brochure of the film "The time of Fujiko Hemming"
A Flower of Gekka-bijin (Queen of the Night) blooms. What a magical shape, color and the smell it is!