669、勝者、敗者の写真2葉 (回想の福生 7) |
2月19日の新聞報道などで、アメリカの対日戦勝利のシンボルとなった一枚の報道写真(ニューヨークの路上で対日戦勝を喜ぶ水兵)の被写体となったメンドンサ氏がなくなったというニュースが流れた。たぶん戦地から帰還して戦勝のニュースに嬉しさのあまり恋人と抱擁、、この水兵さん95歳まで生きていたのだ。相手の看護婦さんの女性は数年前に既になくなっていたらしい。歴史の一コマを映し出した報道写真だ。
この写真はアメリカでは有名で、シアトル滞在中にもどこかで眺めていたのを思い出した。それはバラの解説の本だった。当時夢中になったバラ栽培で購入した本のピースの品種の説明文のなかに、この写真が載っていた。ピース(平和)というハイブリッドも、やはりアメリカで対日戦勝を記念して、このころ創られた新種のバラだったのだ。クイーン・エリザベスと並んでトップランクのバラである。黄色と淡いピンクの色彩の混じった美しい大輪の花でとても気に入っていたが、その名の謂れを知ると、敗戦側の自分としては多少複雑な思いがしたものだ。
Rose Peace in the garden (2018 summer)
この日、そんなこと知る由もなく零歳児の自分も福生にいたにちがいない。父母はどんな気持ちでこの放送を聞いたのだろうか、それを一度も聞くこともなく亡くなってしまった。東大時代の同級のK君は、札幌に遊びにきたときに、この日、この玉音放送のテープを巡って勃発した未遂のクーデター「宮城事件」に巻き込まれ、将校としてその責任をとった彼の父親が、生まれたばかりの彼を残して自決したという話をしてくれた。この瞬間、きっと、日本中でいろんなことが起こっていたにちがいない。
When we sail up over seventy years
We can realize
A Win and a Defeat are two sides of one thing