680、引っ越し: 初めての汽車の旅(回想のいわき平1) |
引っ越し先は福島県のいわき平,ここで小2、小3の2年間を過ごすことになった。はじめて常磐線の汽車に乗って平まで。二つのことを覚えている。池の金魚を長いバケツに入れて運んだこと。それに汽車の窓から生まれてはじめて観た海の広さ。「これが海というもの?」と自分の世界がいま広がっていくのを感じていた。
In the Moving
Carrying a slender bucket of goldfishes
For the first time
I rode a train and left the town I only knew, Fussa
2744 (回想 32) 窓ごしに見る真青な大海原くだけちる波初めてのうみ
Through the window of the train
I saw wide blue sea and breaking waves
This is the first time
I saw a real ocean in my life
2745 (回想 33)しゅしゅっと蒸気はきだす機関車の黒光る車体廻る車輪よ
The locomotive is puffing white steam
With the sound of "shu-shu"
The big wheel sparkling in black
Makes a bumping rhythm of "gata-gotto"
父親の仕事が鉄道関係だったこともあり、いわき平に移ってからよく汽車の旅に連れていってもらった。家族パスという制度もあった。汽車のガタゴトという振動音に揺られて、窓の暖房装置の金具に乗り、窓枠にしがみついて外を眺めることが何よりも楽しかった。生涯続いた旅好きはこの時のこうした経験によるのかもしれない。いまでも、バスや電車で, 親も無視してあたりかまわず外の景色にむさぼるように見とれている幼な児たちがいると、むかしの自分を思い出し、ほっくりした気分になる。
A picture of Taira station in around 1955. Our residence should had been near the station